公認会計士試験の受験生にとって、「管理会計論」は得意・不得意がはっきりと分かれる科目ではないでしょうか。計算も理論も、範囲が広く、各論点が複雑に絡み合うため、多くの受験生が苦労します。
「用語は覚えたはずなのに、問題が解けない…」 「結局、この計算が何のためにあるのか分からない…」
そんな悩みを抱えていませんか?
管理会計論攻略の鍵は、個々の用語を単に暗記するのではなく、その目的や他の論点との繋がりを「理解」することにあります。
これからご覧いただく単語リストは、試験で問われる重要論点を網羅し、計算と理論のポイントが非常によく整理されています。あなたの学習を「暗記」から「理解」へとシフトさせる、強力なツールとなるはずです。
| 分類 | 単語 | 重要度 | 解説 | 処理方法・分析のポイント | 過去問での聞かれ方・学習のポイント |
| 原価計算の基礎 | 直接原価計算 | A | 変動費のみで製品原価を計算し、貢献利益を算出する方法。短期的な利益計画に役立ちます。 | 処理:固定製造原価は発生時に全額、期間費用として処理。期末棚卸資産は変動費のみで評価。 ポイント:全部原価計算との営業利益の差額調整(固定費調整)が頻出。 | 計算:全部原価計算から直接原価計算への組替、両者の営業利益の差額計算が頻出。差額の原因は「期首期末の在庫に含まれる固定費の差」。 理論:CVP分析への適合性、業績評価指標としての有用性、全部原価計算との比較における長所・短所。 |
| 原価計算の基礎 | 標準原価計算 | A | あらかじめ設定した標準原価と実際原価の差(差異)を分析する手法。原価管理に不可欠です。 | 処理:仕掛品勘定へは標準原価で振り替え、原価差異は原則として売上原価に賦課。 分析:価格差異と数量差異などに分解し、原因を分析する(例:価格差異は購買部門、数量差異は製造部門の責任)。 | 計算:材料費・労務費・製造間接費の差異分析はほぼ毎回出題。特に製造間接費の差異分析(公式法変動予算)はシュラッター図のマスターが必須。 理論:標準原価設定の目的、差異の原因分析と責任の所在、勘定記入方法。 |
| 原価計算の基礎 | 全部原価計算 | B | 変動費と固定製造原価の両方を製品原価に含める方法。財務会計で要請されます。 | 処理:固定製造原価を製品に配賦し、売上原価と期末棚卸資産に含める。 ポイント:生産量が販売量を上回ると利益が嵩上げされるという問題点がある。 | 計算:直接原価計算との対比で計算させることがほとんど。 理論:制度会計で要求される理由、直接原価計算と比較した際の問題点(利益が生産量に影響される点)。 |
| 原価計算の基礎 | 活動基準原価計算(ABC) | B | 活動(アクティビティ)を基準に間接費を配賦する方法。より正確な原価計算を目指します。 | 処理:①コストプールを設定 → ②コスト・ドライバーを特定 → ③配賦率を計算 → ④製品に配賦。 ポイント:多品種少量生産で、間接費の割合が大きい企業で特に有効。 | 計算:複数のコスト・ドライバーを用いた間接費配賦計算が問われる。 理論:導入のメリット・デメリット、伝統的配賦法との違いが頻出。 |
| 原価計算の応用 | 工程別総合原価計算 | A | 製品が複数の工程を経て完成する場合に、各工程ごとに原価を集計する方法です。 | 処理:前工程費を、次工程の原価計算上、始点投入の材料費と同様に扱う。 ポイント:各工程の完成品・仕掛品を正確に把握することが重要。 | 計算:第1工程・第2工程の原価計算を一貫して行わせる。減損や追加材料の投入など、複雑な要素が絡むことが多い。 |
| 原価計算の応用 | 仕損品 | A | 製造中に発生した不良品。その処理方法が計算上の最重要論点です。 | 処理:①度外視法:仕損品原価を完成品と月末仕掛品の両方に負担させる。②非度外視法:仕損品を独立して測定し、原価から控除。発生点で負担関係が変わる。 | 計算:総合原価計算問題の中心論点。正常か異常か、発生点はどこか、評価額はあるか、といった条件を正確に読み取り、度外視法で処理する問題が頻出。 |
| 原価計算の応用 | 加工費 | A | 直接労務費と製造間接費の合計額。総合原価計算の進捗度計算で用います。 | 処理:総合原価計算において、材料費と加工費に分けて完成品換算量を計算する際に用いる。 ポイント:材料は始点投入、加工費は均等発生、という前提が多い。 | 計算:完成品換算量を計算する際に必須の概念。これを間違えると以降の計算が全てずれるため、絶対に間違えられない。 |
| 原価計算の応用 | 予定配賦 | A | 製造間接費を予定配賦率で迅速に製品へ配賦すること。配賦差異の分析が頻出です。 | 処理:製造間接費配賦差異を把握し、原則として売上原価に賦課。 分析:配賦差異は、予算差異と操業度差異に分析される。 | 計算:公式法変動予算を用いて、予算差異と操業度差異を計算させる問題が頻出。シュラッター図の活用が有効。 |
| 原価計算の応用 | 連産品 | B | 同一工程・原料から必然的に生まれる複数の製品。結合原価の配分方法が問われます。 | 処理:分離点までの結合原価を、物量基準や、正味実現可能価額基準で配分する。 | 計算:結合原価を各連産品に配分し、製品別の原価と利益を計算させる。追加加工の意思決定と絡めて出題されることもある。 |
| 原価計算の応用 | 組別総合原価計算 | C | 同一工程で異なる種類の製品をロット(組)ごとに生産する場合の原価計算方法です。 | 処理:製造指図書ごとに原価を集計する個別原価計算と類似しているが、集計単位が「組(ロット)」となる。 | 計算:個別原価計算とほぼ同じ要領で解けるため、出題頻度は低い。 |
| 原価計算の応用 | 等級別総合原価計算 | C | 同一工程から等級の異なる製品が生まれる場合に、等価係数を用いて原価を按分する方法です。 | 処理:各等級品のサイズなどに基づき等価係数を設定し、完成品量を等価係数で加重平均して完成品総合原価を按分する。 | 計算:等価係数を用いて各等級品の原価を計算させる。基本的な問題が多く、難易度は高くない。 |
| 原価計算の応用 | 副産物 | C | 連産品の製造過程で付随的に発生する価値の低い製品です。 | 処理:①評価額を算定し、主産物の製造原価から控除する。②売却して得た収益を営業外収益として処理する。 | 計算:総合原価計算問題の中で、評価額を製造原価から控除する処理を正しく行えるかが問われる。 |
| 原価計算の応用 | 作業屑 | C | 製造過程で発生する原料の残り屑です。仕損品との違いや、評価額の処理が重要です。 | 処理:売却価値があれば、その評価額を製造原価(通常は製造間接費)から控除する。価値がなければ処理は不要。 | 計算:総合原価計算問題の細かな論点として登場。評価額を製造間接費から控除する指示を見落とさないように注意。 |
| 原価計算の応用 | 実際配賦 | C | 期末に確定した製造間接費の実際発生額で配賦することです。予定配賦の対義語です。 | 処理:計算が期末まで確定しないため、迅速な業績管理には向かない。 | 理論:予定配賦と比較した際の長所(正確性)と短所(迅速性の欠如)を理解しておけば十分。 |
| 利益管理・分析 | CVP分析 | A | 原価・操業度・利益の関係を分析する手法。損益分岐点分析とも呼ばれます。 | 分析:損益分岐点、目標利益達成売上高、安全余裕率などを算定する。価格変更、コスト構造の変化が利益に与える影響をシミュレーションする。 | 計算:計算問題の最重要論点の一つ。複数製品、税金、階段状固定費など応用力が問われる。 理論:CVP分析が成立するための前提条件は頻出。 |
| 利益管理・分析 | 貢献利益 | A | 売上高から変動費を引いた利益。固定費を回収し利益を生む源泉です。 | 分析:貢献利益が大きいほど、固定費を回収して利益を出す力が強いことを示す。製品別や事業別の収益性分析に不可欠。 | 計算:全てのCVP分析、意思決定会計の問題で計算の出発点となる。貢献利益率を素早く計算できることが重要。 |
| 利益管理・分析 | 損益分岐点 | A | 利益がゼロになる売上高。企業の安全性を測る指標です。 | 分析:この点を下回ると赤字になるため、経営上の最低目標となる。固定費が高い事業ほど損益分岐点は高くなる。 | 計算:CVP分析の基本。公式だけでなく、なぜその式になるのか(固定費を貢献利益で回収する点)を理解することが応用力につながる。 |
| 利益管理・分析 | 安全余裕率 | B | 実績売上高が損益分岐点をどれだけ上回っているか示す割合。高いほど安全です。 | 分析:この比率が高いほど、売上が減少しても赤字になりにくい、不況抵抗力の強い企業といえる。 | 計算:損益分岐点売上高を計算した上で、もう一段階の計算をさせる応用問題として出題される。 |
| 意思決定会計 | 差額原価収益分析 | A | 代替案の間で増減する原価と収益のみに着目する手法。意思決定の基本です。 | 分析:①代替案を特定 → ②差額のみを抽出 → ③差額利益を計算し、最も有利な案を選択する。埋没原価や共通費は無視する。 | 計算:問題文から差額原価・差額収益となる項目を正確に拾い出せるかが鍵。 理論:関連原価と非関連原価の定義や具体例が問われる。 |
| 意思決定会計 | 業務的意思決定 | A | 特別注文の受注など、短期的な意思決定。差額原価収益分析を適用します。 | 分析:追加受注、自製か購入か、製品ラインの廃止など、様々な場面で差額原価収益分析を用いて判断する。 | 計算:「追加注文を受けるべきか」といった具体的なシナリオで、差額利益を計算させて判断を問う問題が頻出。 |
| 意思決定会計 | 構造的意思決定 | A | 設備投資など、長期的な意思決定。NPV法やIRR法で評価します。 | 分析:将来の複数年にわたるキャッシュ・フローを予測し、それを現在価値に割り引いて投資の有利・不利を判断する。 | 計算:NPV・IRRの計算は最重要論点。問題文から税引後キャッシュ・フロー(減価償却費のタックス・シールドを含む)を正確に算定できるかが勝負の分かれ目。 理論:NPV法とIRR法の優劣比較は頻出。 |
| 意思決定会計 | 特別注文の受注 | A | 通常と異なる条件の注文を受けるかの判断。差額利益の有無で判断します。 | 分析:差額収益と差額原価を比較する。生産能力に余力があるか、既存市場への影響はないかも考慮する。 | 計算:業務的意思決定の典型例。差額利益がプラスになるかを計算させる。機会原価が含まれる応用問題もある。 |
| 意思決定会計 | 製品ミックスの決定 | A | 制約条件がある中で、貢献利益を最大化する生産・販売計画を立てる問題です。 | 分析:制約条件1単位あたりの貢献利益が最も大きい製品から優先的に生産・販売する計画を立てる。 | 計算:「労働時間」などの制約条件が与えられ、最適な生産計画と、そのときの最大貢献利益を計算させる問題が頻出。 |
| 意思決定会計 | 機会原価 | B | ある案を選んだことで失う、他の案から得られたはずの利益。意思決定で考慮すべきです。 | 分析:差額原価分析において、代替案を選択することで失われる利益を、その代替案のコストとして考慮する。 | 計算:意思決定問題の中で、「この設備を転用すると、得られたはずのレンタル収入がなくなる」といった形で登場。 理論:定義と、埋没原価との違いが問われる。 |
| 意思決定会計 | 埋没原価(サンクコスト) | B | 過去の支出で回収不能な原価。将来の意思決定から除外すべきです。 | 分析:差額原価分析において、どの代替案を選んでも変化しないため、意思決定から完全に無視する。 | 計算:問題文に「過去に取得した機械の簿価」などが提示されるが、これを無視して計算できるかが試される。 理論:定義と、なぜ意思決定から除外すべきなのかという理由が問われる。 |
| 意思決定会計 | ターゲット・コスティング | B | 市場価格から目標利益を引いて目標原価を設定する手法です。 | 処理:企画・開発段階で、市場調査に基づき目標価格を設定し、そこから目標利益を差し引いて達成すべき目標原価を算出。 | 理論:伝統的な原価計算との違い、導入のメリット、製品開発プロセスにおける役割などが問われる。 |
| 意思決定会計 | リアル・オプション | C | 不確実な投資プロジェクトの柔軟性を評価する考え方です。発展的な論点です。 | 分析:伝統的なNPV法では過小評価されがちな、プロジェクトの延期・拡大・縮小・放棄といった「選択権」の価値を評価に織り込む。 | 理論:定義や、伝統的なNPV法の限界を補完する考え方であることが理解できていればよい。 |
| 業績評価 | 責任会計 | A | 組織を責任センターに分け、権限に応じて業績を測定・評価するシステムです。 | 処理:各責任センターの管理可能費と管理不能費を区別し、管理可能費に基づいて業績を評価することが重要。 | 計算:各責任センターの業績評価指標(差異、利益、ROI/RI)を計算させる。 理論:責任会計の目的、各責任センターの定義と権限、管理可能性の原則が問われる。 |
| 業績評価 | 投資責任センター | A | 収益、費用、投下資本の全てに責任を持つ部門。ROIやRIで評価されます。 | 分析:ROIやRIを用いて資本効率性を評価する。事業部長などが、設備投資の意思決定権限も持つことが多い。 | 計算:ROIとRIの計算は必須。両指標による投資案の評価が異なるケースが出題され、なぜ異なる評価になるのかを問われる。 |
| 業績評価 | 残余利益(RI) | A | 営業利益から資本コストを差し引いた利益。ROIの問題点を克服する指標です。 | 分析:金額で評価するため、ROIのように利益率の低下を恐れて有利な投資を避けるという行動を防ぎやすい。 | 計算:ROIとセットで計算させることが多い。 理論:ROIと比較した際の長所(利益相反問題の回避)と短所(規模の異なる事業部を比較しにくい点)が頻出。 |
| 業績評価 | リターン・オン・インベストメント(ROI) | A | 投下資本利益率。投資効率を測る基本的な指標です。 | 分析:利益率で評価するため、規模の異なる事業部間の収益性を比較しやすい。ただし、有利な投資を棄却してしまう可能性がある。 | 計算:基本的な計算は必須。 理論:長所(比較可能性)と、重大な短所(利益相反問題)は必ず押さえる。 |
| 業績評価 | 経済的付加価値(EVA®) | B | 税引後営業利益から全投下資本に対する資本コストを引く指標。企業価値創造を測ります。 | 分析:RIと類似の概念だが、より厳密に会計上の利益を調整して計算する。株主価値との連動性が高いとされる。 | 計算:計算自体はRIと類似。NOPATやWACCの計算が必要になることがある。 理論:RIとの違い、株主価値との関連性が問われる。 |
| 業績評価 | バランスト・スコアカード(BSC) | B | 「財務」「顧客」「業務プロセス」「学習と成長」の4視点で業績を評価する手法です。 | 処理:①ビジョンと戦略の明確化 → ②4つの視点での戦略目標の設定 → ③KPIとターゲットの設定 → ④アクションプランの策定。 | 理論:理論問題の最重要論点の一つ。4つの視点の具体例、各視点の因果関係、導入のメリットが問われる。 |
| 業績評価 | 利益責任センター | B | 収益と費用の両方に責任を持つ部門です。投資センターとの違いを明確にしましょう。 | 分析:貢献利益や管理可能利益などで評価される。設備投資の権限は持たないことが多い。 | 計算:管理可能利益などを計算させる問題が出ることがある。 理論:投資センターとの権限・責任範囲の違いを問われる。 |
| 業績評価 | エージェンシー理論 | B | 依頼人(株主)と代理人(経営者)の利害対立等を分析する理論。業績評価の背景となります。 | ポイント:経営者の行動を株主の利益と一致させるため、業績連動報酬や、適切な業績評価指標(RIなど)の重要性を理論的に説明する。 | 理論:エージェンシー問題の具体例、その解決策としての管理会計の役割が問われる。 |
| 業績評価 | デュポン・システム | C | ROIを「売上高利益率」と「総資本回転率」に分解する分析手法です。 | 分析:ROIが変動した要因を、収益性(儲ける力)と効率性(資産を活かす力)のどちらにあるのかを分析できる。 | 計算:ROIを各要素に分解して計算させる。財務分析の基本的なツール。 |
| 業績評価 | ベンチマーキング | C | 他社の優れた事例を目標として自社を改善する手法です。 | 処理:①比較対象の選定 → ②自社と対象の分析・比較 → ③ギャップの原因分析 → ④改善計画の策定・実行。 | 理論:手法の定義や目的が問われる程度。 |
| 予算・戦略 | キャッシュ・フロー計算書 | A | 企業の現金の増減を示す財務諸表。設備投資の意思決定に不可欠です。 | 分析:設備投資の意思決定では、税引後利益に減価償却費を足し戻すなどして、将来の営業キャッシュ・フローを予測することが出発点となる。 | 計算:設備投資の意思決定問題において、将来の各期のキャッシュ・フローを算定するプロセスが計算の中心となる。 |
| 予算・戦略 | 正味現在価値(NPV) | A | 投資の将来CFの現在価値から初期投資額を引いたもの。NPV>0なら投資有利と判断。 | 分析:NPVは投資によって企業価値がどれだけ増加するかを示す。複数の代替案がある場合は、NPVが最も大きい案を選択するのが合理的。 | 計算:設備投資の意思決定問題で、最終的に計算を求められる最重要指標。 理論:NPV法の定義、その経済的意味、IRR法に対する優位性が問われる。 |
| 予算・戦略 | 内部利益率(IRR) | A | 投資のNPVをゼロにする割引率。IRRが資本コスト率を上回れば投資有利と判断。 | 分析:投資の「利回り」を直感的に示すが、複数のIRRが計算されるなどの問題点も存在する。 | 計算:毎年のCFが一定額の場合は、年金現価係数を用いて計算できる。 理論:NPV法との優劣比較が最重要。IRR法の問題点を具体的に説明できるように。 |
| 予算・戦略 | 予算管理 | B | 予算を編成し、実績と比較・分析することで経営活動を統制する活動です。 | 処理:予算と実績の差異を分析し、その原因を究明して改善行動につなげる(フィードバック)。 | 理論:予算の機能(計画、調整、統制、動機付けなど)、予算編成のプロセス、固定予算と変動予算の違いなどが問われる。 |
| 予算・戦略 | マスター予算(総合予算) | C | 企業全体の予算を統合したものです。予算管理の全体像を理解する上で重要です。 | 処理:販売予算→生産予算→費用予算…と順に作成され、最終的に予定財務諸表に集約される。 | 計算:各予算を作成し、最終的に予定損益計算書を作成させるような総合問題が出題される可能性があるが、近年は少ない。 |
| 生産・在庫管理 | ABC分析 | B | 在庫品目を重要度でランク分けし、重点的に管理する手法です。 | 処理:在庫品目を売上高などの重要指標で降順に並べ、累積構成比でA、B、Cランクに分類。Aランク品目は厳格に、Cランク品目は簡易的に管理する。 | 理論:手法の目的(管理の効率化)、パレートの法則との関連性、具体的な分類方法が問われる。 |
| 生産・在庫管理 | ジャストインタイム(JIT) | C | 「必要なものを、必要なときに、必要なだけ」生産する仕組みです。 | ポイント:在庫削減によるコスト削減だけでなく、生産ラインの問題点を顕在化させる効果もある。 | 理論:手法の目的や効果、かんばん方式との関連性などが問われる。 |
| 生産・在庫管理 | リーン生産方式 | C | 生産のあらゆる「ムダ」を排除しようとする生産哲学です。 | ポイント:JITを発展させ、価値の流れ(バリューストリーム)全体を対象に最適化を目指す。 | 理論:JITとの関連や、その思想(ムダの徹底的排除)が問われる。 |
| 生産・在庫管理 | サプライチェーン・マネジメント | C | 原材料の調達から販売までの一連の流れを最適化する経営手法です。 | ポイント:情報共有を通じて、欠品や過剰在庫(ブルウィップ効果)を防ぐ。 | 理論:手法の目的や、ブルウィップ効果などの関連用語が問われることがある。 |
| 生産・在庫管理 | 経済的発注量(EOQ) | C | 在庫の発注費用と保管費用の合計を最小化する1回あたりの発注量です。 | 分析:発注費用と保管費用がトレードオフの関係にあることを前提とした古典的モデル。 | 計算:公式に当てはめて計算させる基本的な問題が出ることがある。 理論:モデルの前提条件(需要が一定など)が問われることがある。 |
| 品質・環境・その他 | 品質原価計算 | B | 品質の維持・向上に関わるコストを分析する手法。理論問題で問われることがあります。 | 分析:原価を予防・評価・内部失敗・外部失敗の4つに分類。最適な品質コストは、失敗コストと、それを防ぐための予防・評価コストの合計が最小になる点にある。 | 理論:4つの品質原価の分類と具体例が頻出。品質とコストのトレードオフ関係を図で説明させる問題も考えられる。 |
| 品質・環境・その他 | ライフサイクルコスティング | B | 製品の企画から廃棄までの全コストを管理する手法。理論問題で問われる可能性があります。 | 分析:顧客側から見たコスト(顧客使用コスト、廃棄コスト)も考慮に入れることで、製品の総所有コストを下げ、競争優位を築くことを目指す。 | 理論:手法の目的、対象となるコストの範囲、ターゲット・コスティングとの関連性が問われる。 |
| 品質・環境・その他 | 環境原価計算 | C | 環境保全活動に関わるコストを測定・分析する会計です。 | 処理:環境保全コスト、環境汚染による損失などを測定し、意思決定や外部報告に活かす。 | 理論:環境会計の目的や、環境原価の分類(マテリアルフローコスト会計など)が問われることがある。 |
| 品質・環境・その他 | キャップ・アンド・トレード | C | 環境会計の関連用語として、意味を理解しておくと良いでしょう。 | 処理:排出枠の購入は費用、売却は収益として会計処理される。排出枠は無形資産として計上されることがある。 | 理論:制度の概要を問われる程度。 |
| 経営管理手法 | シェアード・サービス | C | 間接業務を集約し効率化する手法です。 | ポイント:業務の標準化と規模の経済によりコスト削減を目指すが、各事業部へのサービス品質低下のリスクもある。 | 理論:手法の目的、メリット・デメリットが問われる。 |
| 経営管理手法 | アウトソーシング | C | 業務を外部に委託することです。自製か購入かの意思決定と関連します。 | ポイント:コスト削減だけでなく、外部の専門性を活用して業務品質を高める目的もある。 | 理論:手法の目的、メリット・デメリットが問われる。 |
| 経営管理手法 | シックス・シグマ | C | 統計的な品質管理手法です。 | ポイント:統計的手法を用いて、業務プロセスの欠陥を限りなくゼロに近づけることを目指す。 | 理論:品質管理手法の一つとして、その目的を理解しておけばよい。 |
| 経営管理手法 | リエンジニアリング | C | 業務プロセスを抜本的に再設計することです。 | ポイント:既存のやり方を改善するのではなく、ゼロベースで根本的に作り直す、ラディカルな変革を目指す。 | 理論:手法の定義や、カイゼン(継続的改善)との違いが問われることがある。 |
| 経営管理手法 | 顧客関係管理(CRM) | C | 顧客との関係を管理する経営手法です。 | ポイント:顧客情報を分析し、優良顧客の維持や顧客単価の向上を目指す。 | 理論:手法の目的が問われる程度。 |
| 経営管理手法 | ナレッジ・マネジメント | C | 組織の知識を共有・活用する経営手法です。 | ポイント:個人の持つ暗黙知を形式知に変換し、組織全体で共有することで、組織能力を高める。 | 理論:手法の目的が問われる程度。 |
| 理論 | ゲーム理論 | C | 戦略的な状況を分析する理論です。発展的な論点であり、深入りは不要です。 | ポイント:価格競争などの寡占市場における企業の行動を説明するのに用いられることがある。 | 理論:「囚人のジレンマ」など、基本的な概念を理解しておけば十分。 |
目次
まとめ:繋がりを意識して、管理会計を得意科目に!
ここまで、管理会計論の重要論点を見てきました。リストを眺めていると、各論点が独立しているのではなく、密接に繋がっていることが見えてこないでしょうか。
- 直接原価計算で計算した「貢献利益」は、CVP分析で使われる。
- ROIの欠点を補うために「RI」が生まれた。
- 伝統的な原価計算の問題点を克服するために「ABC」が開発された。
- 差額原価収益分析では、機会原価は考慮するが、埋没原価は無視する。
このように、一つ一つの用語を点で覚えるのではなく、「なぜこの概念が必要なのか?」「他の論点とどう繋がるのか?」を常に意識することで、知識は線となり、やがて面となって、あなたの強力な武器になるはずです。
このリストが、あなたの管理会計論の学習の一助となれば、これほど嬉しいことはありません。

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